2025-03-06

宝石と彫刻 Ⅵ

宝石名
『 Paraiba Tourmaline 』
パライバトルマリン

ネオンターコイズの新星

34種類の鉱物種から成る大トルマリングループ。存在しない色がないと言われるほどにカラーバリエーションが豊富なこの宝石の中で、とびきり希少で最も人気があるのが、宝石そのものがまるで光源のようにネオンブルーに発色する、パライバトルマリンです。

1987年、ブラジルのパライバ州で最初に発見されたことが名前の由来になっており、見たこともない鮮烈なブルーは当時はとても天然の石だと信じてもらえなかったそう。

その後、正式に銅とマンガンを含む新種のトルマリンと鑑定されてからは一大ブームが起こりますが、産出量が本当に少なく幻の宝石と呼ばれました。近年ではブラジルのほかの地域やアフリカなど限られた産地で少量発掘されていますが、その理由は太古の昔ブラジルとアフリカが一つの超大陸だったからだと言われています。

パライバトルマリンは新原生時代(6億5000万年前から5億年前)の変成岩に貫入したペクマダイトに結晶します。ゴンドワナ超大陸が分断し始めたのが約2億年前と言われているので、この宝石を見ると5億年もの昔に生まれ、その後大陸ごと移動する壮大な旅をして、そして今ここにある!と地球規模のロマンに想いを馳せずにはいられません。

そんな貴重な宝石であるパライバトルマリン。今回のルースは丸く艶やかなカボションカット。内包するインクルージョンの効果でネオンブルーにミルキーな柔らかさが加わり、まるで光るターコイズのような愛らしさです。

この愛嬌のある宝石の個性に応えて、どんな造形が相応しいか考え、愛着の湧くようなどこか懐かしいシルエットに彫刻しました。石を縁取る二段の金枠からぷっくりと盛り上がるパライバトルマリンが何とも愛らしいフォルムです。そして、質感は古い時代の装飾品や日用品、長く愛されてきたもの質感をイメージしわずかに光沢を感じる手仕上げの質感に仕上げています。

大切に使われてきたものを受け継いだような、そんな雰囲気のペンダントになっているといいなと思っています。ぜひ、一度触れてみてください。

K18YG&Paraiba Tourmaline 0.20ct
Pendant Top
¥91,300- (tax included)

 

 

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